坂之上洋子さん

 自分の気持ちを見失ったとき指針にしたいと思える人に、坂之上洋子さんがいる。

 始まりは、ブックオフでたまたま見つけた岩波ジュニア新書『なんにもないけどやってみたープラ子のアフリカボランティア日記』だった。著者は「栗山さやか」さん。

 109のショップ店員だったプラ子こと栗山さやかが、なぜアフリカでボランティアをすることになったのか。そのきっかけを作ったのが坂之上洋子さんの本『犬も歩けば英語にあたる』だったのだという。それを読んだプラ子は一念発起、未知の世界へ飛び出し、アフリカと出逢い、ボランティアを止められなくなり、今もまだモザンビークに根を下ろしている、というこの上なく数奇な実話。たった1冊の本がガチで人生を変えることもあるのだと、改めて驚かされる。

 ブログ「プラ子旅する。ーまだアフリカです」には今も胸のつまるような現実と闘い続けるぶれないプラ子がいる。そして、今も自分の本が彼女の運命を変えてしまったことを忘れず、寄り添い続けるぶれない洋子さんが存在する。そう思うだけで、自分ごとき隠居がやすやすと凹んではいられない、申しわけない、という気になるのですよ。