年末年始の本

 年末にご贔屓の「買取王子」で本を3冊買った。

 愛知県にあるネット宅配買取サービスの会社だが、「もったいない本舗」と合わせてここで古本を買って裏切られたことがない。ほしい本でこの2店からの出品があるときは迷わず古本を買うようになった。

 前からドミニック・ローホーの「少ないもので料理する」や「少食を愉しむ」が気になっていたので調べてみると、「シンプルに生きる」という本がこの在日ミニマリストの最大のベストセラーだという。ところがアマゾンには似たタイトルがこれでもかと並んでいて困惑してしまう。

 最終的に講談社+α文庫の「シンプルに生きる 人生の本物の安らぎを味わう」を選んだのだが、これが実は「シンプルに生きる モノを持たない暮らし」「シンプルに生きる 美しいからだをつくる」「シンプルに生きる ストレスからの解放」を”再編して文庫化”したもの、だというから驚く。他にも「シンプルに生きる 変哲のないものに喜びをみつけ、味わう」という本まであるから、読む前にいささかげんなりである。

 2冊めの大原扁理という名前は大垣書店で知った。「いま台湾で隠居してます」というタイトルが目を引いたのだが、この人も「20代で隠居 週休5日の快適生活」「思い立ったら隠居 週休5日の快適生活」「隠居生活10年目 不安は9割捨てました」「年収90万円で東京ハッピーライフ」「年収90万円でハッピーライフ」と似たタイトルが並んでいる。文庫版の「思い立ったら隠居」が「20代で隠居 」の ”随所に書き下ろしを増補し、描き下ろしイラストを加えたもの" だと知ってこちらを注文。

 この本の中で初めて「ロー・プロファイル」という言葉と出会ったのだが、扁理氏の実践する”目立たず控えめに暮らすライフスタイル”は、まさに隠居の憧れそのものではないか。

 3冊目が前からほしかった、こだまの「いまだ、おしまいの地」。講談社エッセイ賞を獲った前作より文章が上手くなっているのに驚く。すっかり偏屈になってしまった隠居の心にもストレートに沁みる、数少ない作家さんのひとりである。

 たいして安くなっていないので現在保留中なのが、沢野ひとしの「ジジイの片づけ」

1760円。沢野ひとしももうジジイなのかと思うと感慨深い。半額になったら買う。

 

 本日購入した”新年最初の本”は、ネルノダイスキなる人のコミックスである。phaの日記「面白かった本2021」で紹介されていた「いえめぐり」の表紙を見て、面白そうだったのでアマゾンをのぞいてみたのだが、出ていたのは2冊のみ。しかも、もう1冊の「ひょうひょう」という本はなんと2445円もする。

 出している「アタシ社」は夫婦2人でやっている出版社だそうで、HPをのぞくとなかなか興味深い。通販もやっていて、ここなら正価1430円というのはどういうことかね。しかも、「本屋からもどってきたものなので古本扱いします」と600円+送料の値がついているではないか。迷わず注文ボタンを押してしまった。

 noteに「ひょうひょうができるまで」の長い連載があったので読んでみると愛着がわいてしまい、新本で買えばよかったかなと反省。もしかしたらもう1冊、新本でいただくことになるかもしれない。