Paul Simon最新作

 久しぶりにDori Caymmiの歌が聞きたくなって、2009年の「Mundo de Dentro」を流してみるとこれが間違いのない傑作で、さすがドリさん、不意の黄砂にダウンしていた隠居の気分もしっかり癒やしてくれる。

 探索途中でToninho Hortaトニーニョ・オルタという名前を知った。なんと”20世紀が生んだブラジリアン音楽界の偉大なる生ける巨匠”だというのに、どうして今まで聞いたこともなかったのだろう。同郷ミルトン・ナシメントの「街角クラブ」にも参加しているらしいが、名高い1980年のアルバム「Toninho Horta」も隠居には今ひとつ刺さらず、次は傑作と書いてあった1989年の「Moonstone」でも聞いてみようかな。

 とあまり愛想がないのは、同時にPaul Simon7年ぶりのアルバム「Seven Psalms」(7つの詩篇) 2023 を発見してしまったからで、これを先に聞きたかったからなんだ。朝からエンドレスで流していると、変わらぬ声を聞くだけで幸せな気分が満ちていく。

 今回のトピックスは、Radka Toneffラドカ・トネフという、ノルウェーの伝説的歌姫。30歳で自死してしまったそうだが、2曲めの「Mr. Bojangles」で耳を留め、3曲め「Ballad Of The Sad Young Men」にやられる。とどめは「The Moon is A Harsh Mistress」で、この人、選曲がいいんだよねえ。ノルウェー史上最高のアルバムと名高い「FairyTales」を一度、腰を据えて聞いてみることにしよう。

 Netflixで「クイーンメーカー」と「シスターズ」というキレッキレの韓国ドラマをたて続けに楽しませてもらったが、実は今一番ハマっているのは、コーランの後番組としてスタートした「贅婿(ぜいせい)ームコ殿は天才策士」なる中国ドラマ。いやこれが何とも時間を忘れさせてくれる逸品、ニヤニヤしている間に終わってしまうのが何とも名残惜しい。岡田恵和の「日曜の夜ぐらいは」と並んで、いまのお気に入りなんだ。