土曜の朝と日曜の夜の音楽。

 始まりは「Diana Panton for Quiet Corner」という新譜だった。ダイアナ・パントンとは浅からぬ顔見知りだったが、クワイエット・コーナーとは、はて何だろう。

 調べてみると、HMVのフリーペーパーの名前だという。HMVは世界展開している英のレコード販売店グループである。なんて書いているが、隠居はレコード店なんて行かないから知らなくて当然かも。

 で、これを書籍にしたのが「クワイエット・コーナー心を静める音楽集」2014で、今年になって「2:日常に寄り添う音楽集」が出た。心を深く静める、繊細な音楽だけを集めたというこのコーナー、自分が求めている音楽そのものじゃないか、と強く心惹かれるものがあった。早速アマゾンに飛ぶ。

 なのに結局「Premium特別編集 土曜の朝と日曜の夜の音楽。」というMOOKを買うはめになったのは、少し安かったからという懐事情にもよるが、次の日たまたま本屋さんで現物を手に取れたからというのもある。ネットでだけ見て買うというのは今でもどこか心もとない。

 こちらは”週末を心地よく過ごすための音楽”が204曲、まあ似たようなものだろう。

 知らないアーティストがほとんどなのでワクワクしながら、どんな音か、どんな声かをチェックしていると、時間の経つのを忘れてしまう。初めて聞く曲は、どれも耳に新鮮で心地よい。

 例えば、”夢幻の国のビリー・ホリデイ”・ ”セピア色のノスタルジー”などと称される稀代の歌姫ALA.NI(アラ・ニ)や、LAのSSWモーリー・バーチなどは早速お気に入りリストに上がったが、こういうガイドブックがないと出会えなかったんじゃないかな。