睡眠の復活

 はてなブログから「昔の記事を振り返りませんか」というメールが届いた。1年前、2年前のことを思い出させてやろうというのである。

 ああ、2年前の今頃はまだポスティングをしていたんだ、と隠居にも新たな変化があったことに気づかされる。日記はつけていてもあまり回想することはないので、こういう機会を与えてもらうのも悪くない。

 が、今朝書きたいのは「睡眠」の話である。

 今朝、下へ降りて改めて時計を見ると5:30になっていたので驚いた。ベッドでは4:30だったのに1時間はどこへいったんだろう。というボケは立派な老人である証拠だが、長い「不眠」はもう卒業できたのではないか、と初めて思えたのだった。

 退職の頃はひどい不眠状態で、1、2時間ごとに目が覚めて寝た気がしなかった。それから10年以上かけて、である。「睡眠」は隠居生活の最大のテーマであった。眠れない辛さに苦しんだ。何度か枕も替え、ホットアイマスクを装着し、ワンサイズ上のパジャマを纏ってみた。眠れないから昼間もボーッとして何もする気がしない。それを「老人だから」だと思おうとしてきた。老人だからパフォーマンスが低下して当たり前なのだと。

 でも考えてみれば、現役の頃から、寝ていないというより「仕事に追われて寝られない」ことが多かった。実は、退職して眠れずに苦しんでいた頃と睡眠自体はたいして違わなかったのではないか。そう考えれば、10年かけてようやく積もり積もった仕事の軛から開放されたのだと言えなくもない。

 今は9時までにはベッドに入る。眠くなれば眠る。そして目が覚めるのがやたら早くなる。あたりまえのことである。6時間寝ても朝の3時なんだから。それを寝られないと騒ぐほうがおかしいんじゃないか。念のために睡眠日記をつけてみたら、最近はちゃんと5−6時間は寝ていることが判明した。もちろん昼間もまだ眠いので睡眠の質はあまり良くないんだろう。でも「質」なんてことを言う前に、決定的に足りなかった量がもどってきただけでも良し、と思うべきではないか、と今朝、考えていたのであった。

 それが嬉しくて、久しぶりにまた「はてなブログ」を書いているのである。