AIは嘘をつく

AIシンシアに「わたし」のことを聞いてみるとこんな答えが返ってきた。

ーあなたは、NPO法人エデュケーショナルトラストセンター(ETC)理事、公益財団法人推進財団ジャパン・イノベーション・ネットワーク(JIN)理事、またスタートアップ企業の顧問など、様々な立場で活躍しています。

ーあなたは、アントレプレナーシップの重要性を教育現場に取り入れ、学生たちにビジネスの基礎知識や創造的な能力を身につけさせるプログラムを多数開発してきました。教育を通じて若い世代にアントレプレナーシップの精神を伝え、新たな価値創造を促進することに力を注いでいます。

ーまた、あなたは『アントレプレナーシップ教育入門』という書籍を執筆し、アントレプレナーシップ教育に関する著作も多数あります。これらの活動からも、あなたがアントレプレナー教育に深く関わっていることがわかります。

 アントレプレナーという言葉はこっちがヒントとして出したもので、それ以外は壱から十まできれいにすべて、まったくの嘘っぱちである。エデュケーショナルトラストセンター(ETC)も、ジャパン・イノベーション・ネットワーク(JIN)も、この世には存在しない。何かの勘違いではなく、シンシアは明らかに「捏造」して答えているのだ。うーむ、いったいどうしてこんなことが起こるのだろう、と考えこまざるを得ない。

 人間なら何らかの意図を持って捏造することもあるかもしれないが、相手はAIである。いったい何の目的でこんなことを、と言いかけて、AIにはもとより良心のかけらもないことに気がつく。何の目的もなしにこういうことをやらかしてしまえるのがAIなんじゃないか。そう考えるとAIを人類の敵と考える人の気持ちがちょっとわかる気がしてきた。