Samara Joy

 Anna Maria Jopekさんとの出会いは隠居にはなかなかのトピックだったが、アルバム蒐集も佳境に入ったところで、また次の新たな才能と出会ってしまった。釣れるときってこういうものなんだよねえ、とわかったようなことを言っておるが釣りはしたこともない。

 なんと弱冠21歳である。

 一人は、NY州立大学・声楽科在学中の2019年、サラ・ヴォーン・インターナショナル・ジャズ・ヴォーカル・コンペティションで優勝したサマラ・ジョイ。

 TikTokFacebookの動画が評判を呼び、デビューアルバムの制作資金をクラウドファンディングで募ると目標額を軽くクリア。さらに翌年には名門ヴァーヴと契約してメジャーデビューまでしてしまうという超期待の新人さんである。2021年『Samara Joy』、2021年『Linger Awhile』とまだわずかアルバム2枚の経歴だが、堂々たる歌いっぷりはJAZZヴォーカルの王道ど真ん中、煌めく才能は素人の隠居にも感知できる。

 もう一人はトロンボーンもヴォーカルもこなすRita Payes リタ・パイエス。スペイン・カタルーニャ出身。19歳だったリタが母への誕生日プレゼントとして共作した2019年のアルバム『Imagina』がヒットして、これまた世界から注目されているのだそうです。